相続税対策1

持株を、新設持株会社に現物出資したが・・・・・

A氏は、自分でA株式会社を主宰していますが、その会社の株式評価額が非常に高くなっていると聞かされ、何か対策をと考えていたところ、たまたま書店で事業承継の書物を見つけ、その中の持株会社をつくる方法が気に入りました。  その際、現物出資は税法上は譲渡とみなされること、以前は自社株を譲渡する場合に、一定の範囲で譲渡しないと高額な税金がかかったけれども、今は 全株を一度に譲渡しても譲渡益に対して26%の税金だけですむことや、設立する会社は有限会社がよいこと等をじっくり勉強して、自分の持株の全てを現物出 資して有限会社を設立し、その会社で株式を担保に借入れを起こして、相続税評価額10億円のビルを購入しました。そして、取引所の相場のない株式の評価の 仕方に従って計算してみると、その持株会社の株価評価は、何とA株式を持っていた時の評価額の20分の1になっており、A氏は『これでいつ相続がおこって も大丈夫』と安心していました。

ところが・・・

新聞を読んでいると、「オーナー杜長の持株会社に法規制の網」という記事が目にとまり、読んでみると、A 氏の持株会社もこれに該当するようです。大あわてで知り合いの税理士に計算を依頼すると、持株会社の株価は、以前計算した時の10倍にもなっており、 ショックで寝こんでしまいました。

これは、『財産評価基本通達』が改正されたことにより、対策実行時には効果のあったものが、ダメになってしまった例です。

最近はこのように、法律や通達の改正等により、従来は認められていた方法が、ある日突然ダメになることが多くなっています。A氏の場合は、まだ相続開始前 に自分で気が付いたため、その後も別の対策を行うことが可能でしたが、法律や通達の改正があったのに気付かずにそのままになっていて思いもよらない額の相 続税を取られたり、もっとひどい話になると、法律や通達が改正された後でも、古い本や知ったかぶりの友人・知人の言うがままに、すでに効果のなくなってし まった対策を行って、無駄なお金をかける場合もあります。

《教訓》

○書物を見る時には、発行年月日の新しいものを選ぶこと、できれば相続や資産税が専門の税理士に相談することが必要です。

○また、1つの対策ではなく、いくつかの対策を組み合わせることが、法律や通達の改正に対しては必要です。そして、 この例に関していえば、株式の評価を20分の1に下げた段階で、後継予定者に贈与または譲渡するべきでした。そうすれば、その後、税法や通達の改正が行わ れても、無関係ということになります。

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