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8.282020
望まない受動喫煙防止がマナーからルールへ
◆受動喫煙とは
タバコの煙には、タバコを吸う人が直接吸い込む「主流煙」と、火のついた先から立ち上る「副流煙」があります。副流煙には主流煙と同じく体に有害な成分が含まれていて、ニコチン、タール、一酸化炭素などの成分量は主流煙よりも多いといわれています。この副流煙を、自分の意思とは関係なく吸い込んでしまうことを「受動喫煙」といいます。受動喫煙にさらされると、がんや脳卒中、虚血性心疾患、呼吸器疾患などのさまざまな病気のリスクが高くなり、さらには妊婦や赤ちゃんにも悪影響を及ぼすことがわかっています。
◆この春、改正健康増進法が全面施行
かつて日本のオフィスで、休憩時間に自席で一服という光景が広がっていた時代も今は昔。1996(平成8)年2月に厚生労働省(旧労働省)より公表された「職場における喫煙対策のためのガイドライン」を皮切りにオフィスの分煙化が進み、2003(平成15)年5月から施行された「健康増進法」の中で事業者に受動喫煙の防止措置を講じる努力義務を課すこととしました。
駅構内が禁煙となり、行政機関・会社や学校での分煙は既に厳格化してきています。
そしてこの度2020年4月、健康増進法の一部を改正する法律が全面施行され、望まない受動喫煙を防止するための取り組みは、努力義務から義務規定となりました。
◆改正法での変更ポイント
①多数の利用者がいる施設、旅客運送事業船舶・鉄道、飲食店等の施設において、屋内原則禁煙。特に健康影響が大きい子ども、患者が主たる利用者となる施設等について一層徹底した受動喫煙対策を講じることとなった。
②屋内で喫煙の場合は、各施設において事業主に各種喫煙室の設置が求められる。また、喫煙室には標識掲示が義務付けられている。
③20歳未満は喫煙室への立入禁止
その他に、既存の経営規模の小さな飲食店については、経過措置として喫煙可能室の設置を可能とし、店内の飲食と喫煙を可としています。このような場合も従業員の受動喫煙を防止するための措置を講ずることを事業主の努力義務としています。
なお事業主に対しては、受動喫煙対策を行う際の支援策として、受動喫煙防止対策助成金など財政・税制上の制度が整備されているので、活用すると良いでしょう。